慰安婦問題について、いろんな報道: 「はな子」の死から1週間 飼育員が語る思い出。はな子 ありがとう、ゾウの「はな子」にお別れ 井の頭自然文化園献花台に500人 都はお別れ会の開催検討。ゾウのはな子、国立科学博物館へ=死因は呼吸不全―東京都。静かにたたずむ人気者=「日本一愛された」 ゾウ-。その他関連。

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2016年6月2日木曜日

「はな子」の死から1週間 飼育員が語る思い出。はな子 ありがとう、ゾウの「はな子」にお別れ 井の頭自然文化園献花台に500人 都はお別れ会の開催検討。ゾウのはな子、国立科学博物館へ=死因は呼吸不全―東京都。静かにたたずむ人気者=「日本一愛された」 ゾウ-。その他関連。

「はな子」の死から1週間 飼育員が語る思い出
6月2日 20時10分 NHKニュースウェブ
東京・武蔵野市の動物園で飼育されていた、
国内最高齢のメスのアジアゾウ「はな子」が
先月26日に死んでから2日で1週間たちましたが、
動物園には今も追悼に訪れる人が相次いでいます。
はな子を親子2代で世話をした飼育員の男性は、
いちばん人間に近いゾウだったと、
その思い出を語っています。

アジアゾウのはな子は、昭和24年に戦後初めて
日本の動物園が迎えたゾウとして人気者になった一方、
深夜、酔っぱらって飼育施設に入ってきた男性や
世話をしていた飼育員を踏みつけ死なせしまい、
鎖に繋がれ施設に閉じ込められた不幸な時期がありました。
現在、東京・日野市にある多摩動物公園に勤務する
山川宏治さんは、父親と2代にわたって
はな子の飼育員を務めました。
このうち2人を死なせてしまった直後に飼育担当となった
父親の清蔵さんについて、山川さんは
「鎖につながれ動きがとれないはな子を自由にしてやるなど、
はな子の好きなことをやった。時間はかかったけど、
はな子の信頼を得ることができた」と話しています。
それでも清蔵さんが引退すると、
はな子は再び飼育員にけがを負わせました。
その数年後、父の後を継いで
担当の飼育員になったのが宏治さんでした。
宏治さんは「人を殺したゾウだということが
心のどこかにあって怖かった。
はな子に近づくと鼻息を荒くするが、
自分のそれまでの経験ではゾウの威嚇行為と考えていた。
ところがはな子にとっては逆の意味で
『もっとそばに来てよ』という意味だった。
その意味が分かるまで1年もかかった」と話しています。
その後、山川さんは、はな子をもう一度動物園の人気者にしようと、
大好きなブラッシングをしてあげたり、
歯が1本だけになっていたはな子に、
ニンジンやリンゴなどを細かく刻んで与えました。
こうした努力で、はな子は
子どもから餌を食べるようにまでなったのです。

はな子が死んで1週間。

武蔵野市にある、井の頭自然文化園には、
今も多くの人が追悼に訪れています。
多くの人がはな子にひかれる理由について
山川さんは、「はな子はいちばん人間に近いゾウだった。
動物園に来る人はそのはな子に語りかけて、
答えは言ってくれないけど、自分なりに答えを出して帰って行く。
そういう人が多かったのではないでしょうか。
今は『やっと自由になったね。
ゆっくり楽しんで』と言いたいです」と話していました。

はな子の献花台に献花する来園者
はな子の献花台の前で手を合わせる来園者
=武蔵野市の井の頭自然文化園で
26日死んだゾウの「はな子」。国内最高齢だった
=2015年12月20日、東京都武蔵野市の井の頭自然文化園

【東京】2016年5月28日 午前8時 東京新聞
はな子 ありがとう 井の頭自然文化園 別れ惜しむ人が続々
日本最高齢のゾウのはな子(推定六十九歳)が死んで
一夜明けた二十七日、武蔵野市の井の頭自然文化園の
ゾウ舎前には献花台とメッセージを書く記帳台が設けられた。
開園直後から多くのファンが訪れ、花束や
好物だったバナナやリンゴを供え、
はな子の死を悼んだ。(鈴木貴彦)
 ゾウ舎前には、はな子の生涯をたどる写真パネルも飾られた。
清瀬市の主婦飯間信子さん(74)は、
パネルを見つめハンカチで涙をぬぐった。
毎週欠かさず会いに来ていた。
多いときは週に二回も。「昨日から泣きっぱなし。
四十六年間ずうっと会いに来て、
元気をもらっていたの」と言いながらまた涙を流した。
訃報は仲間の「はな友」からメールでもらったという。

 「イベントで柵の中に入り四回もパンをあげた。
人を死なせてしまい、いじめられたこともあったけど、
飼育員さんが寄り添ってくれて優しいゾウになった。
私が行くといつも脚を上げてあいさつしてくれた。
もう会えないなんて本当に悲しい」と静かに語った。
 長野市の会社員長田理恵さん(32)は
昨夜、自分で車を運転して上京した。
幼いころ祖父に連れられ、はな子に会って以来のファン。
今週末に会いに来る予定だったという。
「『今までありがとう。天国に行ってもリンゴやメロンを食べて、
仲間と楽しく暮らしてください』と書きました」
と言って声を詰まらせた。
 西東京市の主婦十亀洋子さん(63)は
「吉祥寺に住んでいたので、子どもとよく見にきた。
思い出がいっぱいだからショックで…。
去年の秋に会ったのが最後。
ありがとう、ご苦労さまという
感謝の気持ちでいっぱいです」と話した。
 ゾウ舎前の売店「はな子カフェ」では、
はな子の顔が描かれたチキンライスとオムレツの
「ぞうさん弁当」(五百八十円)を販売している。
カフェの職員平子千帆さん(30)は
「お子さんに大人気で、七十個以上売れる日も。
毎日、はな子の姿を見ながら仕事をしていたが、
最近は外に出なくなって
心配していました」としんみり語った。
 この日は、五百を超える献花があり、
メッセージを寄せたのは約六百人だった。
園は二週間ほど献花台と記帳台を設けることにしている。

◆ゾウ舎の広さなどが問題に 
園長「今後の飼育難しい」
 井の頭自然文化園の永井清園長は
二十七日、園内で記者会見し、
今後の新たなゾウ飼育については未定としながら、
「一般論」と断った上で「現在のゾウ舎で飼うのは、
十分な広さや複数で飼うことなど
世界的な飼育基準の流れから見て
困難だと思う」と見解を述べた。
 はな子の飼育環境を批判する声が
最近も寄せられていたことには
「ゾウは環境の変化を一番嫌う。
新たにどこかに移す方が、
年を取ったはな子にとってはストレスだった」と述べた。
 はな子の最後の様子については、あらためて
「本当に静かに、安らかに亡くなった。
感謝の気持ちでいっぱい」と語った。
同席した堀秀正副園長兼飼育係長は
「食欲が徐々に落ち、体調を心配していたが、
死ぬ前日も飼育員の手から
缶詰の桃やメロンを食べ、
最後は安らかに逝った」と説明した。

国内最高齢のゾウ「はな子」が死んだことについて
記者会見する井の頭自然文化園の永井清園長
=26日午後、東京都庁

2016.5.28 05:01 サンスポ
ゾウの「はな子」にお別れ
都はお別れ会の開催検討
戦後初めて来日したゾウとして人気を集め、
26日に国内最高齢で死んだ雌のアジアゾウ「はな子」の
献花台が27日、飼育されていた井の頭自然文化園
(東京都武蔵野市)に設けられ、500人以上が訪れた。
 30年前から毎週来ていたという
東京都三鷹市の大学職員の女性(37)は
「仕事を休んできた。
優しい象で、いつも見ているだけで元気をもらえた」と悔やんだ。
 はな子は26日朝、室内で横たわっているのが見つかり、
午後に死んだ。死因は呼吸不全。
老衰のため体が支えられなくなったとみられ、
横たわった状態で肺が圧迫されたという。
東京都は27日、69歳で死んだ井の頭自然文化園
(東京都武蔵野市)のアジアゾウ「はな子」を
国立科学博物館(東京都台東区)に寄贈したと発表した。
 都は「多くの人に愛されていたので、
研究や骨格展示などに役立ててほしい」と話している。
 また、解剖の結果、死因は呼吸不全と分かった。
26日未明に横に倒れ、自力で立ち上がれない状態が続いたため、
肺が圧迫されたという。
 はな子の死から一夜明けた同園には、500人以上が献花に訪れた。

同園は後日、お別れ会を行う予定。


井の頭自然文化園 ゾウの「はな子」しのぶ献花台
国内最高齢のゾウとして人気だった
「はな子」の死から一夜明け、
井の頭自然文化園に設置された献花台には
別れを惜しむ人が次々と花を手向けています。
 アジアゾウのはな子は1947年にタイで生まれ、
2歳半の時に東京へやってきました。
その後、1954年から60年以上にわたって
井の頭自然文化園で都民に愛されてきました。
2013年からは国内最高齢の記録を更新し、
ことし1月に69歳を迎えていました。
園では死因について、老衰によって立てなくなり
長い間横たわっていたことで、
肺が圧迫されて呼吸不全になったとみています。
職員の大橋直哉さんは
「大勢の飼育員に囲まれて、私の目からは
安らかに眠るように死んだように見えた。
69年間頑張ったんだなという感じは受けた」と語りました。
 ゾウ舎の前に設置された献花台には500人以上が訪れ、
はな子との別れを惜しんでいました。
来園者は「ショックですね、同い年だったんですよ。
だから必死で応援していたんです」
「ここにいてくれるだけで安心していた。
いなくなっちゃったんだなと、悲しいです」
「こちらも元気をもらっていたので本当にありがとう、
お疲れさまと伝えたい」などと話していました。
 献花台は2週間ほど設置されるということです。

69歳で生涯を終えた「はな子」。
かつて飼育員ら2人を死なせる事故を起こし、
「殺人ゾウ」のあだ名が付けられたこともあったが、
近年は静かにたたずむその姿に、
世代を超えたファンを集めた。
 はな子の名は、戦時中に上野動物園で殺処分され、
絵本「かわいそうなぞう」で知られる
「花子」にちなんで付けられた。
 人懐こい半面、神経質な性格。
食べ物の好き嫌いも激しく、「飼育員泣かせ」だった。
井の頭自然文化園の永井清園長は
「鎖につながれ人間不信に陥ったこともあるが、
飼育員が心を解きほぐしていった」と振り返る。
 飼育下のアジアゾウの平均寿命は60歳ほど。
歯が1本しかなかったが、
飼育員は麦を混ぜたおにぎりや細かく砕いた
根菜類、缶詰の桃などの「特別食」を与え、
懸命にケアしてきた。
 3月の誕生会は体調不良で中止となったが、
800人以上が集まった。
「はな子が元気なことが自分の生きがい」と
足しげく通うファンもいた。
永井園長は「もう少し生きさせてあげたかった。
日本最高齢のゾウが死にました。
 東京・武蔵野市にある井の頭自然文化園で飼育されていた

ゾウの「はな子」は、国内のゾウとしては最高齢の69歳でした。
はな子は1949年、戦後初めてのゾウとして2歳の時にタイから来ました。
過去には、はな子が飼育員らを踏んで死なせた事故もありましたが、
その後は園の人気者となっていました。
東京都によりますと、26日朝に飼育員が横に倒れているはな子を見つけ、
寝返りなどを打たせようとしましたが、
午後3時4分、静かに息を引き取ったということです。

東京都は26日、井の頭自然文化園(東京都武蔵野市)で
飼育されていた国内最高齢のゾウ「はな子」が
同日に死んだと発表した。69歳だった。
 はな子はメスのアジアゾウ。1949年にタイから贈られ、
54年からは同園で飼育されていた。
 最近は体調を崩すことも多く、
3月に予定されていた誕生会は中止された。
また、コンクリートの施設に1頭だけで飼われていたことから、
インターネット上で「かわいそう」と話題になっていた。
東京・武蔵野市の動物園で飼育されていた
国内最高齢のメスのゾウ「はな子」が26日午後、死にました。
69歳でした。
メスのアジアゾウ「はな子」は、昭和24年に
タイから戦後初めて日本に来たゾウで、
昭和29年から武蔵野市の「井の頭自然文化園」で飼育され、
多くの来場者に親しまれてきました。
「はな子」はことし1月1日に69歳を迎え、国内で飼育されている
ゾウの長寿記録を更新していましたが、
ことし3月におなかが痛そうにいきむ様子が繰り返し見られたため、
長寿を祝う催しが中止になり、その後も、
食べる餌の量が減るなどしていたということです。
動物園では、注意深く観察を続けてきましたが、
26日午前8時半ごろに飼育員が横になったまま起き上がらない
「はな子」を見つけ、内臓を圧迫しないようロープなどを使って
寝返りをさせようとしていましたが、午後3時すぎ、
飼育員にみとられながら死んだということです。
「はな子」は苦しんだり、暴れたりすることはなく、
静かに息を引き取ったということです。
詳しい死因については今後、
検査などを行って調べることにしています。

「はな子」とは
戦後初めて日本に来たゾウの「はな子」。
最初に飼育されたのは東京の上野動物園でした。
上野動物園では戦時中、逃げ出すと危険だということで
すべてのゾウが処分され、「はな子」は平和の使者として
人々から大歓迎を受けました。
名前も処分された
上野動物園のゾウ「花子」にちなんで名付けられました。
「はな子」は昭和29年に地元住民の呼びかけで
東京・武蔵野市の井の頭自然文化園に移り、60年余り、
たった1頭で過ごしてきました。
そして、ことしの1月1日で69歳になり、
国内で飼育されているゾウの長寿記録を更新していました。

おむすびのようにしたえさを食べる
アジアゾウのはな子=東京・井の頭自然文化園
サマースクールでゾウの花子と(筆者は右から2番目)
ゾウのはな子 2013-01-30 00:08:15
来園者に愛嬌(あいきょう)を振りまく象の「はな子」
=東京都武蔵野市の井の頭自然文化園
飼育の日 なぜ…引きこもるゾウのはな子
2016/04/19 に公開 TOKYO MX
きょう4月19日は「しいく」の語呂合わせで「飼育の日」です。
武蔵野市の井の頭自然­文化園では飼育に関するイベントが開かれました。
 この動物園で人気を集めるのが国内最高齢のゾウ・はな子ですが、
先月から外の運動場に­出てこない状態が続き、
飼育係や来園者たちが心配しています。
2014/02/02 に公開 戦後すぐに来日して人気者となった
雌のアジアゾウ「はな子」が、67歳となりゾウの国­内最高齢記録を更新した。
飼育する東京都武蔵野市の井の頭自然文化園は
2日、お祝いの­会を開き、市民ら約800人が祝福した。

2016.5.15 17:00 2 3 【iRONNA発】産経ニュース
狭い檻で飼育する動物園は「必要悪」か
日本最高齢のアジアゾウとして知られる「はな子」をめぐり、
海外から「救出」を求める声が広がっている。
「監獄」に閉じ込められた悲劇の象として紹介される一方、
69歳のはな子を懸命に世話する動物園側は困惑を隠せない。
はな子は本当に不幸せなのか。(iRONNA)

 私は井の頭自然文化園(東京都武蔵野市)の
年間パスポートを持っていて、しょっちゅう足を運んでいます。
はな子の飼育場の前にはベンチがあり、
私は大抵空いているそのベンチに座ります。
なにせ、陸上哺乳類で最大の動物であり、
しかも、その“国内最高齢記録保持者”が
目の前で同じ瞬間を生きているのですから。

 ◆悪を善に変える一歩
 動物園とは人間からすれば、
本来はまず見ることのできない野生の生き物を観賞し、
楽しむことができる場所ですが、檻(おり)の中で一生を過ごし、
死んでいく動物の立場で考えると、
ものすごく悲しく残酷な場所に思えます。
 もう10年ぐらい前でしょうか、
テレビで旭山動物園の園長である坂東元さん
(当時は副園長)がこのことについて、
「必要悪」という表現をされていました。
動物園は人々を喜ばせるだけでなく、
希少動物の繁殖や研究なども手掛けています。
だから必要とした上で、本来は大地を駆け回る生き物を
狭い檻に閉じ込めているのだから「悪」である、
ということを正直におっしゃっていました。
私もこの考え方に非常に近いものを持っています。
しかし、悪だと分かっていて、
悪であり続けるのはいけないことだと思うのです。
 必要悪を必要善に変えることは
絶対に不可能なのでしょうか。
旭山動物園が2000年ごろを境に急激に人気が出て、
マスコミに騒がれ出したのは、「行動展示」という方法を用いて、
悪を善に変える一歩を踏み出したことが要因です。
 行動展示とは、鳥を大きなケージで飼育し、
飛べるようにしたり、草原にすむ動物が
土の上を走ったりできるようにするなど、
動物本来の行動をできるようにして見せることです。
 昭和の動物園は、動物の身体的特徴を
ただ見せるだけの形態展示というものでしたが、
今は、この行動展示をはじめ、
エンリッチメントに重点を置く時代です。
エンリッチメントとは、思い切りかみ砕いて言いますと、
動物を幸せに飼育するための工夫です。
 飼育場はできる限り広くし、
その環境も本来生息する場所に近づけます。
ただ生かすのではなく、命を尊重し、
選択の自由や良い刺激を与えるようにするのです。
このようなエンリッチメントは、
必要悪を必要善に近づけると私は思います。

 ◆人間のエゴの犠牲者 先進国の多くが
何年も前からエンリッチメントを実行しています。
スイスのチューリヒ動物園では、
はな子と同じアジアゾウを
東京ドーム約2個分の広さで飼育しています。
多頭飼いで仲間もいて、繁殖もしています。
タイの森林を模した自然に近い環境を歩き、
巨大なプールで泳ぎ、自分で餌を探すという
達成感を得ながら生きています。
ゆっくり歩いても10秒ほどで端から端まで行けてしまう
はな子の飼育場とは比較になりません。
 はな子は、確かに多くの人間に愛され続けました。
しかし、その人間のエゴの犠牲者として、
不幸な生涯を送ったと私は思います。
高齢のため、今さら移動させるのは逆に良くないでしょう。
 だから、はな子の生涯は不幸のまま幕を閉じるでしょう。
もちろん、はな子が幸せだったのか不幸だったのかは、
はな子に聞いてみなければ分かりません。
 でも、はな子はこのような論議に一石を投じました。
もし、この論議が人々の心を動かし、動物園に限らず、
一般家庭も含めた動物を飼育する現場が、
よりエンリッチメントな方向へと改善されるなら、
はな子がたとえ「不幸」のまま死んでも、
天国で「私は幸せです」と思うかもしれません。

 iRONNAは、産経新聞と複数の出版社が提携し、
雑誌記事や評論家らの論考、著名ブロガーの記事などを集めた
本格派オピニオンサイトです。各媒体の名物編集長らが参加し、
タブーを恐れない鋭い視点の特集テーマを
日替わりで掲載。ぜひ、「いろんな」で検索してください。

【プロフィル】佐藤栄記
 さとう・えいき 動物ジャーナリスト。
昭和37年、東京都生まれ。TBS系テレビ
「どうぶつ奇想天外!」ディレクターを長年務め、
現在も身近な動物の観察や撮影を続ける。
昨年、東京の動物に焦点を当てたドキュメント映画
「東京2020」を自主製作。
著書に『動物トリビア図鑑』(東京書籍)。

象の「はな子」はホントに不幸なのか
iRONNA
日本最高齢のアジアゾウとして知られる「はな子」の飼育をめぐり、
海外から「救出」を求める声が広がっている。
「牢獄」に閉じ込められた悲劇の象として紹介されて同情を買う一方、
69歳という高齢のはな子を
懸命に世話する動物園側の本音も聞こえてくる。
檻の中で暮らすはな子は本当に不幸せなのか。

(15)おむすびをもらって食事 日本最高齢のはな子
共同通信 1
飼育員の木崎恒男(きざき・つねお)さんが大きなおむすびを作った。
口に直接入れてやる。もぐもぐ。
今度は長い鼻の先に。
はな子が落とさないように上手(じょうず)に口元に持っていく。
東京・井の頭(いのかしら)自然文化園のアジアゾウ、
はな子は61歳(さい)、日本で最高齢(さいこうれい)だ。
歯は1本しか残っていない。
ゾウの歯は上の左右、下の左右に1本ずつで計4本、
それが一生に6回生えかわる。
はな子の歯は20年以上前に1本だけになった。
 歯がだめになったら、ふつうは生きていけない。
でもえさを工夫した。
おむすびの中身はバナナやリンゴ、短く切った草。
消化しやすいようにつぶして混ぜている。
 はな子は二歳のときタイから来た。
みんなの人気者だったけど、不幸な事故があった。
50年ぐらい前、夜中に入りこんだ人がふまれて亡くなった。
飼育員も1人亡くなっている。
 ゾウの足の裏はクッションのようで、足音がしない。
ゾウの方も人に気づかないことがある。
体重は人の百倍もあるから、
ふんづけて「あっ」と思ってもおそい。
 木崎さんは8年前に担当になったとき、
先輩(せんぱい)に「(人を死なせたという)先入観が
あるのは仕方ないけれど、自分の感覚で、
いまのはな子を見てほしい」と言われた。
いま「だんだん気持ちが伝わるようになってきた。
はな子が安心できる存在になりたい」と思う。
 最近、気になっているのは足のつめが割れていること。
大きな体をささえる足のけがや病気は命にかかわる。
でも、それも治ってきた。
あとは夏の暑さでばててしまわないように、
長生きしてほしいと願っている。(文・写真、佐々木央)

 佐々木央(ささき・ひさし)1956年青森県生まれ。
共同通信編集委員。
社会部で教育問題や少年事件を長く取材してきた。
著書に若者の生きづらさを取材した
未来なんか見えない 自傷する若者たち」(共同通信社刊)がある。

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